広告クリエイティブで成果を出す3つの考え方|成功事例6社を解説

広告クリエイティブで成果を出す3つの考え方|成功事例6社を解説

「広告を出しているのに成果が出ない」「クリエイティブをどう改善すればいいかわからない」そんな悩みの多くは、デザインや言葉のセンス以前に、戦略的な思考の枠組みが欠けていることが原因です。

広告クリエイティブで成果を出すためには、「誰に・何を・どう伝えるか」を設計する思考法が不可欠です。本記事では、実際の広告制作で使われている3つの考え方と成功事例を解説いたします。

目次

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広告クリエイティブとは?基本から押さえよう

広告クリエイティブとは?基本から押さえよう

広告クリエイティブとは、広告として制作された画像・動画・キャッチコピーなど、広告を構成するコンテンツの総称です。バナー広告やSNS上の動画広告、チラシのデザインまで、ユーザーの目に触れる広告表現のすべてが「広告クリエイティブ」に含まれます。

近年、AIによるターゲティングや入札の自動最適化が進んだことで、広告運用において人間がコントロールできる最大の変数は「広告の中身=クリエイティブ」へと移行しています。

つまり、誰に・何を・どう伝えるかというクリエイティブの質が、広告の成否を大きく左右する時代になっています。

しかし、優れたクリエイティブを作るためにはデザインセンスや制作スキルだけでは不十分です。重要なのは、戦略的な思考の枠組みを持つことです。

成果を出す広告クリエイティブの3つの考え方

成果を出す広告クリエイティブの3つの考え方

広告制作において重視される3つの考え方には、「ターゲット絞り込み型」「リアルイメージ型」「効果比較型」があります。

ターゲット絞り込み型:「誰に届けるか」を徹底的に考える

ターゲット絞り込み型とは、特定の人物像にフォーカスし、そのターゲットにとって最も響くメッセージを設計するアプローチです。たとえば不動産の広告を考えてみましょう。

「家を探している人」を対象にしたメッセージは、広すぎるがゆえに誰の心にも深く刺さりません。

一方、「初めてマイホームを購入しようとしている30代の共働き夫婦」というように対象を絞り込むと、その人たちが抱える不安や期待に直接寄り添うコピーや訴求ポイントが見えてきます。このアプローチを実践するうえで欠かせないのが、ペルソナの設計です。

年齢・職業・ライフスタイル・悩みまでを具体的に言語化することで、マーケティング戦略全体の精度が上がります。

リアルイメージ型:「使っている場面」をありありと描く

リアルイメージ型は、5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように) を軸に、製品やサービスの使用シーンをリアルに描き出す手法です。

人は抽象的な説明よりも、具体的な場面のほうが自分ごととして捉えやすい生き物です。「忙しい朝、子どもを送り出した後に一杯飲むコーヒー」という描写は、単に「おいしいコーヒー」と伝えるより、ずっと強く生活者の感情に働きかけます。

このアプローチは特に、日常使いの商品やサービスにおいて効果的です。消費者が「これは自分の話だ」と感じた瞬間、広告は情報から共感へと変わります。

効果比較型:「使う前と後」で変化を見せる

効果比較型は、製品の利用前後の変化を対比させることで、その効果や価値を明確に伝えるアプローチです。言葉で「効果的です」と主張するより、変化を視覚的・数値的に示す方がずっと説得力を持ちます。

このアプローチが特に有効なのは、健康・美容・生活改善など「変化」そのものが商品価値になるカテゴリーです。

ユーザーが自分でその差を「発見」するプロセスを設計できると、強い納得感と信頼を生み出すことができます。変化のドラマを体験させることが、最強の説得になります。

実例で学ぶ|広告クリエイティブの成功事例6選

ターゲット絞り込み型の成功事例:ナッシュ(nosh)× X(旧Twitter)広告

ターゲット絞り込み型の成功事例:ナッシュ(nosh)× X(旧Twitter)広告
出典:Twitter広告を活用した成功事例のご紹介|nosh-ナッシュ

宅配食サービスを展開するナッシュ株式会社は、ターゲットを若年層の男性に絞り、クリエイティブにはターゲットと同じ若い男性を起用。「調理不要で楽なのに健康的な食事」を訴求しました。

さらにデータ分析を深め、投資をしている人・ガジェット好き・ゲーム好きなど、何かに没頭する人との親和性が高いという発見につながり、新しいターゲット層を開拓するきっかけになりました。

その結果、Twitter広告のラストクリックからの新規顧客獲得数は4.8倍にまで増加しました。

ターゲット絞り込み型の成功事例:ベースフード「BASE BREAD」× LINE広告

ターゲット絞り込み型の成功事例:ベースフード「BASE BREAD」× LINE広告
出典:新規獲得、決めの一手!導入後、3万人の新規顧客を獲得したベースフードのLINE広告活用

BASE BREADは「ダイエット目的で使う人」「時短を求める忙しいビジネスパーソン」「子どもに栄養をとらせたいママ」など、利用シーンと購入動機が多様な商品です。

そのため、ひとつの広告で全員に訴求しようとすると、誰にも刺さらない中途半端なメッセージになりがちでした。 そこでベースフードは、LINEの年代・性別・興味関心セグメントを活用し、ターゲットごとにクリエイティブと間接LPを個別制作。

広告からLPまで訴求軸を一本化することで、ユーザーが「これは自分ごとだ」と感じる導線を設計しました。動画クリエイティブは月30本ペースで制作・PDCAを回し、勝ちパターンをLINE以外の媒体にも横展開しています。

リアルイメージ型:パナソニック(高級トースター)× Instagram広告

リアルイメージ型:パナソニック(高級トースター)× Instagram広告
出典:パナが初めてインスタ広告を主軸に CMなしでも売り上げ2倍!|日経クロストレンド

パナソニックは高級トースター市場に後発で参入する際、Instagramの投稿トレンドを分析し、コロナ禍で「トースト」に関する投稿とエンゲージメントが増加していることを発見。

訴求を「何でもできるオーブン」から「パンがおいしく焼けるトースター」へと絞り込み、在宅での朝食シーンというリアルな生活場面を中心にコンテンツを展開しました。

Instagramという「食の生活シーン」が集まる場との親和性を最大限に活かした結果、旧モデル比2倍の売上を達成。テレビCMなしでの快挙として注目を集めました。

リアルイメージ型:JR西日本「北陸カニ」広告キャンペーン

リアルイメージ型:JR西日本「北陸カニ」広告キャンペーン

コロナ禍で北陸への直接的な来訪促進が難しい時期に、「カニの視点から食べに来てほしい」と語りかける広告を展開。

新幹線のジャックやパソコン越しの登場など、日常のさまざまなシーンにカニを登場させることで、見る人が自然と北陸旅行の食体験を頭の中に描く仕掛けになっています。

来られない状況でも旅行イメージをリアルに想起させ、意欲を持続させた好例です。

リアルイメージ型:サントリー「ビアボール」× TikTok広告

リアルイメージ型:サントリー「ビアボール」× TikTok広告
出典:【ヒットの法則】サントリーが実践する、TikTok を使った仕掛けとは|【公式】TikTok for Business

2022年に一般発売されたサントリーの新商品「ビアボール」は、「自分で炭酸の濃さを調整して飲める」という新しい飲み方が特徴の商品です。

プロモーションでは、人気TikTokクリエイター6名をアンバサダーに起用。各クリエイターが自分のスタイルで「ビアボール」を楽しむ様子を動画で投稿し、濃いめ・薄め・フルーツを加えるなど多様な飲み方をリアルに見せました。

重要なのは、商品訴求の制限をあえてかけなかった点です。クリエイターそれぞれの個性や日常に溶け込んだ形で「こんな場面で飲みたい」というシーンを自由に表現させたことで、見た人が「自分ならこう飲む」と自然に想像できる広告になりました。

「#ビアボール」のタグをつけた動画がユーザーにも広がり、企業発信の枠を超えた拡散につながりました。

効果比較型:ライオン「Lightee(ライティー)」× TikTok広告

効果比較型:ライオン「Lightee(ライティー)」× TikTok広告
出典:TikTokで白い歯を疑似体験、ライオン、“本気“のブランド訴求|【公式】TikTok for Business

美白ハミガキ「Lightee」の認知拡大を目的に、ライオンはTikTokに独自エフェクトを開発。

「歯が白くなると顔の印象がどう変わるか」を疑似体験できる仕掛けで、使用前後の変化をユーザー自らに体感させました。

「#顔の印象は歯で変わる」の公式動画は約2億4,000万回再生、エフェクト体験者は17万人超。ビフォーアフターを押しつけるのではなく、体験を通じて自分事化させた効果比較型の先進的な事例です。

広告クリエイティブに関するよくある質問

広告クリエイティブと広告コピーの違いは何ですか?

広告コピーは広告クリエイティブを構成する要素のひとつで、キャッチコピーや本文などの「言葉」の部分を指します。広告クリエイティブはそれよりも広い概念で、コピーに加えて画像・動画・デザイン・レイアウトなどをすべて含んだ広告全体を指します。

良い広告クリエイティブを作るために最初に決めるべきことは何ですか?

「誰に届けるか(ターゲット)」と「何を伝えるか(メッセージ)」の2点が最も重要です。この2つが曖昧なまま制作を始めると、ビジュアルがいくら優れていても効果につながりにくくなります。本記事で紹介した3つのアプローチ(ターゲット絞り込み型・リアルイメージ型・効果比較型)のどれで攻めるかを先に決めることも、制作の方向性を定める有効な手順です。

広告クリエイティブはどのくらいの頻度で変えるべきですか?

明確な正解はなく、クリック率やコンバージョン率などのデータを見ながら判断するのが基本です。SNS広告では同じクリエイティブを長期間使い続けると「広告疲れ」が起きてパフォーマンスが低下する傾向があります。一般的には数週間〜1ヶ月を目安に効果を測定し、数値が落ちてきたタイミングで差し替えや改善を検討するのが現実的です。

小さな予算でも効果的な広告クリエイティブは作れますか?

作れます。予算よりも「戦略の明確さ」の方が成果に直結することが多く、ターゲットを絞り込んで的確なメッセージを届けることができれば、低コストでも高い効果を得られます。SNS広告はとくに少額から始めやすく、まず小さな予算で複数のクリエイティブをテストし、反応の良いものに予算を集中させるアプローチが効率的です。

まとめ|まず「アプローチ」を決めることから始めよう

3つのアプローチは、必ずしも単独で使うものではありません。ターゲットを絞り込みながら、そのペルソナが使う場面をリアルに描き、さらに効果の変化を示すという組み合わせが、最も力強いクリエイティブを生み出すこともあります。

広告クリエイティブを設計する際は、まず「どのアプローチで攻めるか」を意識することから始めてみてください。

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この記事を書いた人

大阪府茨木市出身の1989年生まれ。Web制作会社・広告代理店でWebサイトの制作やSNS運用のディレクターとして従事したのち独立。

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