【実例公開】LLMO対策の効果は?AI流入が1.6倍になった6か月の取り組み

ChatGPTやGeminiなどの生成AIで情報収集をする人が増えたことで、「AIに引用されるための対策」としてLLMO(大規模言語モデル最適化)への注目が高まっています。
一方で、実際にLLMO対策を行うとどのような変化が起きるのか、具体的な事例はまだ多くありません。
そこで本記事では、マーケティング支援企業のコーポレートサイトで6か月間取り組んだLLMO対策の内容と、その結果をまとめました。
AI経由の流入はどのように変化したのか。また、実際に取り組んだからこそ見えてきた成果や課題にはどのようなものがあったのか。実際のデータをもとにご紹介します。
AI経由の月間セッションは約1.6倍に増加

まず結果からお伝えすると、施策前後それぞれ6か月間を比較したところ、AI経由のセッション数は354件から567件へ増加しました。月平均では59件から94.5件となり、約1.6倍の伸びとなっています。
一方で、同期間にサイト全体のセッション数も約33,600件から約72,600件へと大幅に増加しました。そのため全セッションに占めるAI流入の割合は、1.05%から0.78%へと低下しています。
今回の結果からはAI経由の流入は着実に増加しているものの、現時点ではサイト全体に占める割合はまだ小さいことが分かります。
AI流入の内訳|ChatGPTが約7割、Geminiの流入が拡大
次に、AI経由の流入元を見てみます。AI経由のセッションをサービス別に集計した結果が以下です。
| AIサービス | 施策前(計354件) | 施策後(計567件) |
|---|---|---|
| ChatGPT | 292件 | 393件 |
| Google Gemini | 12件 | 74件 |
| Perplexity | 43件 | 55件 |
| Claude | 1件 | 16件 |
| NotebookLM | – | 13件 |
| Microsoft Copilot | 3件 | 11件 |
| その他(Felo 等) | 3件 | 5件 |
施策前は、AI経由の流入の82%をChatGPTが占めており、流入元はほぼChatGPTに集中していました。
しかし、施策後はChatGPTの割合が69%まで低下し、Geminiは3%から13%へと大きく増加しています。GoogleのAIモードの提供開始やGeminiの利用拡大が、この変化に影響している可能性があります。
また、施策前にはほとんど見られなかったNotebookLMやClaudeからの流入も確認されるようになりました。
依然としてChatGPTが最大の流入元であることに変わりはありませんが、AI経由の流入は徐々に複数のサービスへ広がり始めています。
現時点ではChatGPTを意識した対策が重要である一方、今後はGeminiやPerplexityなども含め、さまざまなAIサービスで参照されやすいコンテンツ作りが求められていくと思います。
LLMO対策として行った施策①|AIに聞かれる質問を洗い出す

今回行ったLLMO施策は、ユーザーがAIにどのような質問をするのかを整理することです。
従来のSEOでは、「BtoB マーケティング支援 大阪」のような検索キーワードをもとにコンテンツを設計するのが一般的でした。一方で、AI検索ではユーザーはキーワードではなく、質問形式で情報を探すことが増えています。
下記のようなイメージです。
- 中小企業のマーケティング支援でおすすめの会社は?
- マーケティング業務は内製化と外注のどっちがおすすめ?
- 成果が出やすいマーケティング支援会社を見極めるポイントは?
このように、AI検索では単なるキーワードではなく、「目的」「悩み」「状況」といった文脈を含んだ質問が中心になります。そこで、ユーザーがAIに尋ねそうな質問を洗い出し、プロンプトリストとして整理しました。
LLMO対策では、「ユーザーがAIに何を質問するのか」を理解することが重要と考えています。
AIに引用されるコンテンツを作るためには、まず想定される質問を整理し、それに対して適切な回答を用意する必要があると考えております。
LLMO対策として行った施策②|タッチポイントとなる記事を追加・最適化

プロンプトリストを作成した後は、それぞれの質問に対して「AIが回答を生成する際に、自社サイトのどの情報を参照できるか」を確認しました。
その結果、ユーザーの疑問に対するタッチポイントが不足しているテーマや情報はあるもののAIが引用しづらい記事が見つかりました。
- ユーザーの質問に直接答える記事を新たに作成する
- 費用相場や判断基準など、具体的な情報を追記する
- 「選び方」「比較」「メリット・デメリット」などの情報を整理する
例えば、「マーケティング支援会社の選び方」や「内製化と外注の違い」、「費用相場」といったテーマについては、AIやユーザーが情報を見つけやすいタッチポイントとなるよう内容を充実させました。
生成AIは曖昧な情報よりも、具体的で分かりやすい情報を引用しやすいと考えています。そのため今回の施策でも、ユーザーの疑問に対して結論や判断基準を明確に示すことを意識しました。
LLMO対策というと特別な技術のように聞こえますが、実際には「ユーザーが知りたいことにしっかり答える」という基本が重要なのではないかと思います。
LLMO対策はSEOにも好影響|オーガニック検索流入は約2.4倍に増加
今回の取り組みで最も大きく増加したのは、AI経由の流入ではありませんでした。
施策前後それぞれ6か月間のデータを比較すると、オーガニック検索からの流入は約25,700件から約62,400件へと約2.4倍に伸びています。
また、全セッションに占めるオーガニック検索の割合も76%から86%へ上昇しました。
もちろん、この増加をすべてLLMO対策の成果と断定することはできません。検索アルゴリズムの変動や市場環境の変化など、さまざまな要因が影響している可能性があります。
ただ、今回の施策ではユーザーの疑問に答えるコンテンツの追加や既存記事の改善を行っており、その結果としてオーガニック検索流入も大きく伸びました。
この結果を見る限り、LLMO対策の効果はAI流入だけでなく、SEOの観点も含めて評価する必要があるのではないかと考えています。
GA4でAI流入を正しく計測する方法|「AI Assistant」だけでは実態が見えない

AI流入を調べる中で分かったのが、GA4の「AI Assistant」チャネルだけでは実際のAI流入を把握しきれないということです。同じAIサービスからのアクセスでも、GA4上では複数のチャネルや参照元に分かれて記録されるケースがあります。
例えば、ChatGPTやGeminiからの流入であっても、下記のように振り分けられることがあります。
- AI Assistant
- Referral(参照)
- Organic Search(自然検索)
- Unassigned(未割り当て)
実際のGA4のチャネルグループと参照元を見てみましょう。

赤枠で囲っている箇所がAI流入になります。様々なチャネルグループから流入しているのがわかると思います。
そのため、AI流入を確認する際は「AI Assistant」だけを見るのではなく、各AIサービスのドメインや参照元を横断して集計する必要があります。
今回の分析でも、ChatGPTやGeminiなどの流入元を個別に確認しながら集計を行いました。
AI流入はまだ全体から見ると小さな割合ですが、計測方法によって見える数字が大きく変わる可能性があります。AI流入の状況を把握する際は、まず計測方法を確認してみることをおすすめします。
関連記事:【GA4】GoogleアナリティクスでAIツールからの流入を確認する方法
まとめ
AI検索からの流入は、現時点ではサイト全体の1%前後とまだ小規模です。
しかし今回の取り組みを通じて、AI経由の流入が実際に増加することや、流入元がChatGPT以外にも広がり始めていることを確認できました。
私たちは、LLMO対策で重要なのは、ユーザーがAIに投げかける質問を理解し、その疑問に答えるタッチポイントを増やしていくことだと考えています。
まずは、自社サイトがAIからどの程度流入を獲得できているのかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。