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食品PBの競合調査とコンセプト設計|売場で確認したい5つのポイント

食品PBの競合調査とコンセプト設計|売場で確認したい5つのポイント

食品PBの競合調査では、価格・容量、商品特徴、パッケージ、陳列場所、購入・使用場面の5つを確認しましょう。競合商品の情報を集めたら、「誰の、どんな困りごとを、どう解決するか」にまとめ、自社PBのコンセプトへ落とし込みます。

「他社より安い商品」「おしゃれなパッケージ」だけでは、製造メーカーに相談しても仕様が定まりません。売場で見た事実と、取引先から聞いた要望を組み合わせ、選ばれる理由を具体的にすることが大切です。

この記事では、食品卸や小売企業の担当者に向けて、売場調査の進め方、比較表の作り方、食品PBのコンセプト設計を具体例で解説します。製造先が決まっている場合も、これから商品を考える場合も使える手順です。

PB開発全体の流れを先に確認したい方は、食品PBの開発手順と商品化までの準備もご覧ください。この記事では、その最初の工程である競合調査と企画づくりを掘り下げます。

目次

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食品PBの競合調査は「何を作るか」を決めるため

食品PBの競合調査は「何を作るか」を決めるために行う

競合調査の目的は、他社商品の特徴を一覧にすることではありません。

自社が狙う販売先で、購入や採用の理由になる違いを見つけることです。味や原材料だけでなく、使い切れる容量、調理の手間、保管のしやすさ、発注単位にも着目しましょう。

例えば、飲食店で「大容量の商品は安いが、開封後に使い切れない」という声があれば、小容量化を検討するきっかけになります。ただし、声が一件あっただけで需要があるとは決めず、複数の取引先にも同じ課題があるか確認してください。

調査前に、「飲食店向けの業務用ソース」「土産店で販売する焼き菓子」など対象を絞りましょう。カテゴリー、売り先、使う人が違う商品をまとめて比較すると、価格や容量の違いを評価しにくくなります。

売場調査を始める前に決めること

売場調査を始める前に決めること

最初に、調査で判断したいことを一つ決めます。

「想定価格で採用されそうか」「既存商品では満たせない用途があるか」「どの容量が使いやすいか」など、企画上の疑問から調査項目を選びましょう。

準備する項目決め方
販売先スーパー、土産店、専門店、飲食店、自社ECなどを指定する
想定する購入者・使用者購入を決める人と実際に使う人を分けて考える
比較する商品同じ用途の商品を中心に、代わりに選ばれる商品も含める
調査する売場想定する販路に近い店舗を選び、店舗形態や地域の違いも記録する
記録条件調査日、店舗名、価格の税込・税抜、通常価格・特売価格を残す

まずは比較作業の目安として、主要な競合を5〜10商品程度選びましょう。調査して疑問が残った項目は、対象店舗や商品を追加して確認しましょう。

業務用食品は、取引先の仕入れ条件や調理・保管の場面まで調べましょう。店頭調査に業務用カタログの比較や取引先への聞き取りを加えると、採用条件を具体化できます。店内の撮影や聞き取りは、店舗のルールに従って行いましょう。

食品PBの売場調査で確認したい5つのポイント

食品PBの売場調査で確認したい5つのポイント

1.価格・容量|同じ単位にそろえて比較する

販売価格と内容量をセットで記録し、100gあたり、100mlあたり、一食あたりなど、同じ単位にそろえて比較しましょう。税込と税抜、通常価格と特売価格も区別します。

例えば、300gで600円の商品Aと、500gで850円の商品Bなら、100gあたりの価格はAが200円、Bが170円です。一方、少人数の家庭では使い切りやすいAが選ばれる可能性もあります。単位あたりの安さだけで優劣を決めず、購入時の支払額と使い切れる量の両方を確認しましょう。

食品卸が企画する場合は、店頭価格に加えて、自社の卸売価格、取引先が必要とする利益、物流費を見込めるかも検討します。店頭価格からメーカーの原価や利益率を推測し、確定情報として扱わないようにしてください。

2.商品特徴|原材料だけでなく、使う人のメリットを見る

味、食感、原材料、産地、調理方法、保存方法などを記録します。

そのうえで、各特徴が購入者にどんなメリットをもたらすか考えましょう。「個包装」なら持ち運びや配りやすさ、「加熱するだけ」なら調理時間の短縮というように整理します。

「国産素材」「濃厚」「本格派」といった言葉が競合に多い場合、同じ表現を追加するだけでは違いが伝わりにくくなります。例えば「何にでも合う」よりも、「揚げ物にかけるだけで味が決まる」のほうが、使用場面を具体的に伝えられます。実際の商品仕様で実現できるかは別途確認しましょう。

競合にない特徴でも、顧客が求めていなければ購入理由にはなりません。「珍しいか」だけでなく、「その違いのために選ぶ人がいるか」を取引先や想定顧客に聞いてみてください。

3.パッケージ|棚に並んだ状態で伝わる情報を確認する

商品を手に取る前に、何の商品か、味や用途は何か、容量はどのくらいかが伝わるか確認します。

周囲の商品と並んだときに、何が最初に目に入るかを記録しましょう。色や写真の好みだけで評価せず、商品の用途や特徴が伝わるかを確認します。

正面には商品名、特徴、使用例のどれが大きく置かれているか、裏面には調理方法や保存方法がどう説明されているかを見ます。容器の形、開封方法、再封のしやすさ、持ち運びやすさも比較対象です。

例えば土産用途なら、渡しやすさや個数が伝わることが重要な場合があります。業務用なら、保管棚での見分けやすさや注ぎやすさが採用判断に関わることもあります。

4.陳列場所|商品が比較される相手と売り方を見る

棚のどの段にあるか、何商品分の横幅を使っているか、隣に何が置かれているか、POPや特設売場があるかを確認します。

同じ商品でも、調味料売場にある場合と惣菜の近くにある場合では、伝わる使い方が変わります。

主な競合は、同じカテゴリーの商品だけとは限りません。家庭の夕食向けソースなら、総菜、冷凍食品、調理済みキットなどが代わりに選ばれることもあります。「お客様は何と比較して買うのか」という視点で売場を見ましょう。

ただし、陳列面積が広い、欠品している、といった一時点の観察だけでは売れている理由は分かりません。販促期間、入荷状況、店舗側の方針なども影響します。

売上を推定して断定せず、可能なら担当者への確認や日を変えた観察を行いましょう。

5.購入・使用場面|誰がどんな理由で選ぶかを考える

平日の夕食、飲食店のランチ仕込み、贈答、旅行土産など、場面を具体化すると、価格・容量・特徴の意味を判断しやすくなります。

売場で見たことに加え、営業担当者や取引先に「今の商品で困ること」「切り替える際の条件」「再発注しない理由」を聞きましょう。「こんな商品があれば買いますか」だけでなく、現在の使い方や過去に困った場面を聞くと、実際の課題を把握しやすくなります。

例えば「小容量がほしい」という要望なら、保管場所が足りないのか、使い切れないのか、初回の仕入れ額を抑えたいのかで解決策が変わります。

要望をそのまま仕様にせず、困っている理由まで確かめましょう。

競合調査の比較表|事実と仮説を分けて記録する

調査結果は、後から比較できるよう同じ項目で記録します。

「高級そう」「売れていそう」といった印象は観察事実と分け、何を根拠にそう考えたかを添えましょう。

記録項目記入内容
調査条件店舗・売場・調査日・通常販売か特売か
価格・容量表示価格、内容量、100gや一食あたりの価格
商品特徴味、原材料、保存形態、調理方法、表示されている訴求
パッケージ正面の主要情報、容器、開封・再封方法、使い方の説明
陳列棚の位置、隣接商品、POP、特設売場の有無
顧客の声誰から聞いたか、実際の使用場面、不満と採用条件
企画上の仮説自社PBで解決できそうな課題と、追加で確かめたいこと

例えば「小容量の商品が少ない」は観察した事実、「小容量なら売れる」は仮説です。需要がない、製造コストが高い、別の売場で販売されているなどの可能性もあるため、空いている商品領域を見つけただけで開発を決めないようにしましょう。

競合調査から食品PBのコンセプトを作る4ステップ

競合調査から食品PBのコンセプトを作る4ステップ

1.解決したい顧客の課題を一つに絞る

調査で見つけた要望を並べ、繰り返し挙がる課題、自社の取引先に共通する課題、解決できれば採用につながる課題を選びます。味、価格、容量、容器をすべて変えるより、まず何を改善する商品なのか決めましょう。

「飲食店向け」だけでなく、「ランチ営業が中心で、ソースの仕込みに時間をかけられない店舗」のように対象を絞ると、必要な仕様や提案方法が見えてきます。

2.選ばれる理由と、それを支える仕様を決める

顧客に提供するメリットと、その裏付けになる商品仕様を組み合わせます。「仕込みを減らせる」なら、どの作業が不要になるのか。「使い切りやすい」なら、何食分をどの程度の期間で使う想定なのかを具体化しましょう。

「おいしい・安い・便利」をすべて主張するのではなく、最も伝えたい価値を一つ選びましょう。価格、容量、容器、販売方法は、その価値と矛盾しないようにそろえてください。

3.コンセプトを一文にまとめる

「誰に」+「どんな場面で」+「どんな価値を」+「何によって届けるか」の順に書くと、企画の軸を共有しやすくなります。

例えば、「忙しい小規模飲食店のランチ仕込みを、かけるだけで味が決まる業務用ソースで手軽にする」とまとめます。顧客と用途、提供する価値が一文で伝わるか確認しましょう。容量・配合・保存条件は、メーカーと相談して具体化します。

4.販売・製造・採算の条件と照合する

コンセプトがまとまったら、取引先が採用する理由があるか、希望価格で販売できるか、メーカーが作れるかを確認します。最低製造ロット、包材、試作費、保存条件が合わなければ、企画や販売方法を調整しましょう。

最初に決めた案を守ることより、顧客の課題を解決できる条件に整えることが重要です。小容量化で単価が上がるなら、作業時間や廃棄の削減を含めても採用価値があるかを確認します。

企画がまとまった後のメーカーへの相談、試作、費用・ロットの確認は、食品PBの作り方|開発の流れ・費用・小ロット製造の進め方で詳しく解説しています。

食品PBのコンセプト設計例|業務用ソースの場合

食品PBのコンセプト設計例|業務用ソースの場合

以下は、競合調査から企画へ進めるための設計例です。

項目企画の記入例
対象顧客ランチ営業を行う小規模飲食店
顧客の課題仕込みに時間がかかり、担当者によって味付けが変わる
確認したい競合の状況そのまま使える商品の容量、味の用途、価格、注ぎやすさ
提供価値味付けの工程を減らし、同じ分量で使いやすくする
商品案主菜にかける・あえる用途の調理用ソース
仕様の検討項目一食の使用量、容器形状、開封前後の保存条件、容量
採用前に検証すること作業時間、味の評価、一食あたりの原価、使い切れる期間

ここから試作品を使い、従来の調理と同じ条件で作業時間や使用量を比べます。担当者が変わっても扱えるか、他の料理にも使いたいか、希望する仕入れ価格はいくらかを確認しましょう。

「便利そう」という感想だけでは採用の判断材料が足りません。改善した点・継続発注できる価格・採用までに残る条件を整理し、仕様を修正しましょう。

食品PBの競合調査・コンセプト設計で避けたい失敗

失敗しやすい進め方見直し方
競合より安くすることから始める価格以外の採用理由も探し、物流や在庫を含めた採算を確認する
デザインから先に決める顧客・用途・商品価値を決めてから、伝える情報と包材を選ぶ
社内の好みだけで決める想定顧客や取引先に、実際の使用条件で評価してもらう
競合にない特徴なら売れると考えるない理由を調べ、顧客が必要とする違いかを確かめる
一店舗・一日の観察で売れ筋を決める観察条件を記録し、別店舗や別日、取引先の声と照合する

食品PBの競合調査・コンセプト設計でよくある質問

製造先が決まっていても競合調査は必要ですか?

製造できることと、販売先に選ばれることは別なので、調査しておきましょう。メーカーの得意な食品、使える包材、ロットなどを前提に調べると、実現できる範囲で差別化の案を絞れます。

店頭調査だけでコンセプトを決めてもよいですか?

店頭では価格や訴求は分かりますが、購入理由や使った後の不満までは分かりません。営業担当者、既存取引先、想定顧客への聞き取りを組み合わせ、売場の観察と実際の使い方を照合しましょう。

何を作るか未定でも調査を始められますか?

始められますが、まず自社の得意な販路や取引先の課題から対象を絞りましょう。「食品全般」で調べるより、「既存の飲食店に提案でき、調理負担を減らす食品」のように範囲を決めると、企画につながる情報を集めやすくなります。

まとめ|売場で見た事実を、選ばれる理由に変えよう

食品PBの競合調査では、価格・容量、商品特徴、パッケージ、陳列場所、購入・使用場面を確認しましょう。調査結果と取引先の要望を組み合わせ、「誰の課題を、どの仕様で解決するか」まで決めると、メーカーへの相談やパッケージ制作へ進めやすくなります。

IMAKONOは、食品卸の皆さまの自社ブランドづくりを、店頭での競合調査、コンセプト設計、パッケージデザインから支援します。既存メーカーがいる場合も、販売先や製造条件を踏まえて商品の方向性を整理します。対応内容は食品PB開発支援(競合調査・コンセプト設計・パッケージデザイン)をご覧ください。

「自社PBを作りたいが、企画がまとまらない」「取引先に選ばれる違いを見つけたい」という方は、販売先や検討している商品のイメージをお聞かせください。

食品PBの競合調査・企画について相談する

この記事を書いた人

澤原 貴幸のアバター 澤原 貴幸 代表取締役

株式会社IMAKONOの代表取締役社長。デジタル広告運用やSNS運用の実績が豊富で、企業の課題に合わせた「成果につながるプランニング」が強み。SNS運用では、戦略設計からコンテンツ制作、分析改善までを一貫してサポート。
現場で培ったノウハウや最新のマーケティングトレンドをわかりやすく発信しています。

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