SNS運用代行の費用相場は?予算別の依頼範囲とAI活用

SNS運用を外部へ任せたいと考えたとき、「毎月どのくらいの費用が必要なのか」「どこまで任せられるのか」は気になるポイントでしょう。SNS運用代行には10万円以下で始められるサービスがある一方、戦略設計や動画制作まで含めると月50万円を超えるケースもあります。
金額に大きな幅があるのは、運用するSNSや投稿本数、撮影の有無、分析・改善まで依頼するかなど、サービス内容が会社によって異なるためです。
この記事では、SNS運用代行の費用相場を価格帯別・SNS別に整理し、料金が変わる要因や月額以外に必要な費用まで解説します。成果報酬型やAIを活用した運用についても紹介するので、見積もりを比較する際の判断材料としてお役立てください。
SNS運用代行の費用相場は?

SNS運用代行の費用は、月10万〜50万円程度がひとつの目安です。
ただし、すべてのサービスがこの範囲に収まるわけではありません。投稿作成など一部業務だけなら10万円以下で依頼できる場合があり、企画・制作・分析を含めると20万〜50万円程度、動画制作や広告運用などを広く任せる場合は50万円を超えることもあります。
ガイアックスでは、企業へSNS運用を依頼する場合の目安を月20万〜50万円、投稿を中心とした運用を月10万〜50万円程度と紹介しています。
| 月額費用の目安 | 主な依頼内容 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 10万円以下 | 投稿作成・投稿代行など | 一部の業務を任せたい |
| 10〜30万円 | 企画・制作・投稿・簡易分析など | 運営業務を幅広く任せたい |
| 30〜50万円 | 戦略・制作・分析・改善など | 数値を見ながら改善したい |
| 50万円以上 | 動画制作・広告連携などを含む総合支援 | SNS運用を本格的に外注したい |
価格帯はあくまで目安です。見積もりでは「いくらか」だけではなく、「その料金で何を任せられるのか」を確認してください。
月10万円以下|投稿作業が中心
月10万円以下では、投稿文章の作成や画像制作、投稿代行など、一部の業務に絞ったサービスが中心です。運用方針や企画を社内で考えられるものの、制作や投稿に使う時間が足りない企業に向いています。
ただし、低価格帯でも企画や簡易的な分析を含むサービスはあるため、「10万円以下なら投稿作業だけ」と一律にはいえません。実際に公開されているサービスを見ると、10万円前後からInstagramの戦略設計や運用まで対応する例もあります。
比較するときは、投稿本数だけでなく、企画、クリエイティブ制作、分析のどこまで料金に含まれているかを確認しましょう。
月10〜30万円|企画・制作まで
月10万〜30万円になると、投稿作業に加えて、投稿企画や画像制作、簡易的な分析まで依頼できるサービスが増えます。SNS担当者を専任で置きにくい中小企業では、外注を検討しやすい価格帯といえるでしょう。
ガイアックスが示す料金例でも、投稿内容の作成や定期的な投稿代行は月5万〜30万円以上、コメント確認やレポーティングまで含めると月20万〜40万円以上とされています。
同じ月20万円でも、静止画を中心に制作するサービスと、ショート動画を含むサービスでは必要な工数が違います。月額料金だけでなく、制作物の種類と本数までそろえて比較することが重要です。
月30〜50万円|分析・改善まで
月30万〜50万円では、投稿企画や制作に加えて、データ分析や改善提案まで依頼できるサービスが選択肢になります。投稿を続けるだけではなく、結果を確認しながら次の施策を改善したい企業に向いています。
企業向けSNS運用では、コメントの確認やレポーティングを含む支援が月20万〜40万円以上、広告運用や定期ミーティングまで含む支援では30万〜50万円以上とする相場例があります。
確認したいのは「レポートがあるか」だけではありません。数値を整理するだけなのか、結果を分析して次の投稿企画やクリエイティブまで改善してくれるのかで、受けられる支援は大きく変わります。
月50万円以上|戦略から一括支援
月50万円以上になると、戦略設計、企画、コンテンツ制作、分析などを広く任せるサービスが選択肢になります。動画撮影や複数SNSの運用、広告施策などが加わると、さらに予算が必要になることもあります。
たとえば、コムニコではSNSアカウント運用代行の料金例を月50万円からとしています。また、YouTubeの一気通貫型運用では月50万〜150万円以上という相場例も公開されています。
50万円を超えるから高いと判断するのではなく、必要な人員、制作量、撮影、分析などを含めた支援内容で比較してください。
SNS運用代行の費用が変わる5つの要因

同じSNS運用代行でも、見積もり金額が大きく異なることがあります。特に費用へ影響しやすいのが、依頼する業務範囲、投稿・動画の制作本数、撮影の有無、運用するSNSの数、分析・改善支援の範囲です。
見積もりを依頼する前に、この5項目について自社の希望を整理しておくと比較しやすくなります。条件が違うままでは、月20万円と30万円のどちらが自社に合っているのか判断できません。
依頼する業務範囲
SNS運用には、戦略設計、競合調査、投稿企画、文章作成、画像・動画制作、投稿、コメント対応、データ分析、改善提案など複数の工程があります。
投稿作業だけを任せる場合と、戦略から分析・改善まで任せる場合では、必要になる人材や作業時間が異なるため、費用も変わります。SNS運用会社が公開する料金でも、投稿制作、レポート、コンサルティングなどを別メニューとして設定する例があります。
費用を抑えたい場合は、「社内ではできない業務」と「できるものの時間がかかっている業務」を分けて考えましょう。外注する範囲を先に決めることで、不要な業務まで契約するのを防ぎやすくなります。
投稿・動画の制作本数
毎月制作する投稿や動画の本数が増えると、SNS運用代行の費用も上がりやすくなります。投稿ごとに企画、原稿作成、デザイン、編集、確認、修正などの工程が発生するためです。
特に動画は、撮影素材を簡単に編集するものから、台本作成や撮影、テロップ、演出まで行うものまで制作工数に大きな差があります。TikTokの企業向け運用では、動画制作本数によって月額が数十万円から100万円を超えるケースも紹介されています。
投稿数を増やせば必ず成果が伸びるわけではありません。必要な品質を維持できる本数を決め、追加制作した場合の単価まで確認しておきましょう。
写真・動画撮影の有無
写真や動画の撮影を外注する場合、運用費とは別に撮影費がかかることがあります。カメラマンやディレクターの人件費だけでなく、撮影場所や内容によっては機材、交通費、スタジオ、出演者なども必要になるためです。
YouTube運用サービスの公開料金では、撮影1日15万円からとする例や、動画制作型を1本5万〜20万円程度とする相場例もあります。
撮影が必要なSNSでは、「月額料金に撮影費が含まれているか」を確認してください。1回の撮影で複数本分の素材をまとめて用意できれば、撮影回数を抑えられる場合もあります。
運用するSNSの数
Instagram、TikTok、YouTube、Xなど複数のSNSを運用すると、費用も増えやすくなります。媒体ごとにユーザー層や適した投稿形式が異なるため、それぞれに合わせた企画や制作が必要になるからです。
同じ素材を活用できるケースはありますが、すべての投稿をそのまま使い回せるとは限りません。たとえばInstagramリール、TikTok、YouTube Shortsは縦型動画という共通点があり、1回の撮影素材を複数媒体へ展開するサービスも存在します。
予算が限られている場合は、最初から多くのSNSへ展開するのではなく、ターゲットや目的と相性のよい媒体から優先する方法もあります。
分析・改善支援の範囲
SNS運用代行では、分析・改善をどこまで任せるかによって料金が変わります。月次レポートを受け取るだけの場合と、結果をもとに改善案まで提案してもらう場合では必要な工数が異なるためです。
コムニコでは、月次レポートと定例会の料金例を月20万円からとしています。運用会社によってはアカウント運用とセットになっているため、分析費が独立して請求されるとは限りません。
見積もりでは「レポートあり」だけで判断せず、どの指標を見るのか、分析結果を次の投稿へ反映してもらえるのかまで確認しましょう。
SNS別の運用代行費用を比較

SNS運用代行の費用は、媒体によっても異なります。文章・画像を中心に運用するSNSと、毎回動画制作が必要になるSNSでは、制作工程に大きな差があるためです。
以下は、複数のSNS運用会社が公開している料金・相場情報をもとに整理した目安です。依頼内容によって金額は上下するため、固定相場ではありません。
| SNS | 費用の目安 | 費用が変わりやすい要因 |
|---|---|---|
| 月10万円前後〜50万円以上 | リール、撮影、投稿本数、分析 | |
| TikTok | 月30〜120万円程度が目安の一例 | 動画本数、撮影、出演者、分析 |
| YouTube | 月30〜150万円程度 | 動画尺、撮影、編集、本数 |
| X | 数万円〜50万円以上 | 投稿数、画像・動画、返信対応 |
| LINE | 月10〜50万円程度 | 配信、制作、分析、チャット対応 |
※企業向けサービスを中心とした目安です。依頼内容や制作本数、支援範囲によって費用は異なり、部分委託やスポット契約では下回る場合があります。
ここでは、SNS別の運用代行の費用相場を解説します。
Instagramの費用相場
Instagram運用代行は、投稿作成など一部業務なら月10万円前後から利用できるサービスがあります。企画や制作、分析まで依頼する場合は数十万円規模となり、支援範囲によっては月50万円を超えるケースもあります。
Instagram運用会社の公開情報では、月10万円からのサービスがある一方、企画・投稿・分析・レポートまで含む場合は月50万〜100万円程度を目安とする例もあります。
費用を見るときは、フィード投稿だけなのか、リールやストーリーズ、撮影まで含むのかを確認しましょう。動画の比率が高くなるほど制作工数も増えやすくなります。
関連記事:【中小企業向け】インスタ運用代行の費用相場・失敗しない選び方を解説
TikTokの費用相場
TikTok運用代行は、企業向けに戦略設計から動画制作、分析までまとめて依頼する場合、月30万〜120万円程度を目安とする運用会社もあります。
一方で、投稿代行や動画編集など依頼内容を限定すれば、これより安いサービスも存在します。TikTokは料金の幅が特に大きいため、「TikTok運用月○万円」という金額だけでは比較できません。
月に何本制作するのか、撮影費が含まれるのか、出演者を自社で用意するのかなど、制作条件をそろえて比較しましょう。
関連記事:TikTok運用代行の費用相場は?AI活用と失敗しない選び方を解説
YouTubeの費用相場
YouTube運用代行は、月30万〜150万円程度まで幅があります。動画制作だけを依頼する場合と、戦略設計から企画、撮影、編集、分析まで一括で依頼する場合では必要な予算が大きく異なります。
Lumiiでは、動画制作型を月20万〜80万円程度、一気通貫型を月50万〜150万円以上としています。StockSunでも実行支援を月30万円から、実行とコンサルを月50万円から提供しています。
YouTubeは動画の尺や撮影内容によって費用が変わりやすい媒体です。Shorts中心なのか、長尺動画を継続制作するのかまで決めてから見積もりを取りましょう。
関連記事:YouTube運用代行とは?費用相場・依頼前の確認ポイント・AI活用を解説
X・Facebook・LINEの相場
Xは、投稿文章の作成など一部の業務だけなら数万円台から依頼できるケースがあり、企画・制作・分析まで含めると数十万円規模になります。コムニコはX運用代行について数万円〜50万円程度、ホットリンクは広告代理店への依頼相場を30万〜100万円程度と紹介しており、支援内容による差が大きいことが分かります。
Facebookも、投稿作成のみか、画像・動画制作、コメント対応、Meta広告まで依頼するかで費用が変わります。単独の固定料金を公開していないサービスも多いため、個別見積もりで比較するのが現実的です。
LINE公式アカウントの運用代行は、月10万〜50万円程度を相場として紹介するサービスがあります。なお、運用代行費とは別にLINE公式アカウント自体の利用料金がかかる場合があります。
月額料金以外にかかる費用
SNS運用代行の予算を考える際は、月額料金だけでは不十分です。初期設計、撮影、動画編集、広告、インフルエンサー施策などが別料金になるケースがあります。
「月20万円だから年間240万円」と単純計算せず、契約期間中に発生する可能性がある費用まで確認しましょう。複数社から見積もりを取る場合も、月額ではなく総額で比較することが重要です。
初期設計・アカウント構築費
SNS運用を始める際は、ターゲット、コンセプト、KPI、競合、投稿方針などを設計します。この作業を初期費用として別途請求する会社もあれば、月額プランへ含めている会社もあります。
ガイアックスでは、SNSアカウントの立ち上げから運用まで依頼する場合の初期設計費として10万〜30万円程度を目安に挙げています。一方で、初期費用を設けず月額料金に含めるサービスも存在します。
確認すべきなのは初期費用があるかどうかだけではありません。競合調査やKPI設計まで含まれるのかなど、初月に実施する業務を確認してください。
撮影・編集・出演者費
InstagramのリールやTikTok、YouTubeなどでオリジナル動画を制作する場合、撮影・編集に追加費用がかかることがあります。
撮影費は、カメラマンやディレクターの人数、撮影時間、機材、スタジオ、ロケーションなどによって異なります。YouTube運用の公開料金では、1日の撮影を15万円からとする例もあります。
出演者を起用する場合は、出演料だけではなく、制作した写真や動画をどの媒体で、どの期間使用できるのかも確認しておきましょう。
広告・インフルエンサー費
SNSアカウントの運用代行費と、広告媒体へ支払う広告費は分けて考える必要があります。広告運用まで依頼する場合は、媒体へ支払う広告費に加えて、運用代行手数料が必要になることがあります。
SNS広告の運用手数料について、ガイアックスは広告費の15〜20%程度をひとつの相場として紹介しています。TikTok広告などでも広告費の10〜20%とする運用サービスがあります。
企業がインフルエンサーへ依頼し、事業者の広告に該当する投稿を行ってもらう場合は、広告であることを一般消費者が判別できる表示が必要です。ステルスマーケティングは2023年10月1日から景品表示法上の不当表示として規制されています。
追加対応・オプション費
基本プランに含まれない業務を追加すると、別料金になる場合があります。投稿本数の追加、撮影、動画編集、コメント・DM対応、キャンペーン企画、広告運用などが代表例です。
注意したいのは、月額料金が安いプランを選んでも、必要な業務を後から追加すると総額が高くなる可能性があることです。
見積もりでは「基本料金で対応する範囲」と「追加料金になる範囲」を分けて確認してください。修正回数、追加投稿の単価、急な差し替えへの対応なども事前に確認しておくと、予算を管理しやすくなります。
SNS運用代行の料金体系

SNS運用代行では、毎月一定額を支払う月額固定型のほか、作業単位で支払う従量・スポット型、成果に応じて費用が決まる成果報酬型があります。
どの料金体系が適しているかは、自社の運用体制や目的によって変わります。料金体系の名称だけではなく、何の業務に対して料金を支払うのかを確認しましょう。
月額固定型
月額固定型は、決められた業務を毎月一定の料金で依頼する方式です。投稿本数や制作内容、分析、定例会などをあらかじめ決め、月額で契約します。
予算を把握しやすく、継続して運用する企業に向いています。一方、同じ月額30万円でも、投稿制作だけのサービスと分析・改善まで含むサービスでは内容が異なります。
見積もりでは、企画、制作、投稿、ユーザー対応、分析のどこまでが基本料金に含まれているか確認してください。追加業務が発生した場合の料金まで把握しておくと安心です。
従量・スポット型
従量・スポット型は、「動画1本」「撮影1回」「アカウント設計のみ」など、必要な業務だけを依頼する方式です。
自社にSNS担当者がいて、動画編集やデザインなど一部の業務だけ外注したい場合に使いやすい契約方法です。YouTubeでもチャンネル分析や動画制作だけを依頼できるスポット型サービスが存在します。
単発では費用を抑えやすい一方、依頼量が増えると月額契約より高くなる可能性があります。継続的に依頼するなら、半年や1年間の合計費用で比較しましょう。
成果報酬型
成果報酬型は、事前に設定した成果に応じて料金が変わる契約方式です。SNS運用では、フォロワー増加、再生数、問い合わせなどを成果指標として設定するケースがあります。
成果報酬だからといって、成果が出なければ必ず無料になるわけではありません。固定料金と成果報酬を組み合わせるサービスや、最低料金を設定するケースもあります。
契約する場合は、成果の定義、計測方法、対象期間、成果単価、最低料金、料金上限を確認してください。再生数やフォロワー数だけを追う契約になっていないか、自社の事業目標と照らして判断することも大切です。
依頼先による費用の違い
SNS運用は、専門の運用代行会社へ依頼するほか、フリーランスへ部分的に発注したり、自社で運用しながら不足する業務だけ外注したりする方法があります。
費用は一般的にフリーランスの方が抑えやすい傾向にありますが、対応できる業務や体制も異なります。支払額だけではなく、自社に残る工数や必要なサポートまで比較してください。
| 依頼方法 | 費用の目安・傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| SNS運用代行会社 | 月20〜50万円程度が一例 | 複数業務をまとめて依頼しやすい |
| フリーランス | 月5〜20万円程度が一例 | 一部業務を依頼しやすい |
| 自社+部分委託 | 内容によって調整 | ノウハウを社内に残しやすい |
企業・フリーランスの料金はガイアックスが紹介する一般的な目安です。業務内容や媒体によって大きく異なります。
SNS運用代行会社
SNS運用代行会社は、戦略設計、投稿企画、デザイン、動画制作、分析など複数の業務をまとめて依頼したい企業に向いています。
複数人で支援する会社では、ディレクター、デザイナー、動画編集者などが役割を分担するケースがあります。大規模な運用や複数媒体を扱う場合は、チーム体制を組みやすい点がメリットです。
その分、特定の作業だけをフリーランスへ依頼する場合と比べて費用は高くなりやすい傾向があります。自社で進行管理や制作を行う時間まで含めて比較すると、どちらが適しているか判断しやすくなります。
フリーランス
フリーランスは、動画編集、デザイン、投稿文章の作成など、依頼したい業務が明確な場合に活用しやすい選択肢です。企業へ一括で依頼するより外注費を抑えられるケースがあります。
一方、対応できるSNSや業務範囲は人によって異なります。戦略設計から撮影、投稿、分析まで、すべてを一人で対応できるとは限りません。
また、フリーランスへ業務を委託する際は、取引条件の明示などを定めたフリーランス法にも注意が必要です。対象となる取引では、書面やメールなどで取引条件を明示する義務があります。
自社運用と部分委託
すべてを外注せず、自社運用と外部委託を組み合わせる方法もあります。商品情報や現場の撮影、ユーザーへの返信は社内で行い、デザイン、動画編集、分析など専門性の高い部分だけを外注するといった分担です。
外注範囲を絞れるため、費用を調整しながら運用ノウハウを社内に残しやすくなります。
ただし、社員がSNS運用に使う時間もコストです。外部へ支払う金額だけを比較するのではなく、担当者が月に何時間作業するのか、外注によってどの程度の時間を削減できるのかまで考えましょう。
AI活用でSNS運用代行費は変わる?

生成AIの普及により、SNS運用でも文章作成や企画案の作成、情報整理などを効率化しやすくなっています。ただし、AIを活用している会社だからといって、運用代行費が必ず安くなるとは限りません。
確認したいのは、AIによって削減できた工数がサービスへどう還元されているかです。制作量が増える、分析を深める、改善案を増やすなど、同じ予算で受けられる支援が変わっているかを見ましょう。
AIで効率化しやすい業務
生成AIは、SNS投稿のアイデア出し、文章のたたき台、動画台本の構成案、字幕作成、情報整理、レポートの下書きなどに活用できます。
毎回ゼロから作成するより初稿を短時間で用意できれば、担当者が企画の精査や分析へ使う時間を増やせる可能性があります。
ただし、AIで生成した文章や情報が必ず正しいとは限りません。運用会社へ依頼する際は、どの工程でAIを利用しているのか、人がどの段階で内容を確認しているのかまで確認してください。
人の判断が必要な業務
AIを活用しても、SNS運用のすべてを自動化できるわけではありません。ターゲットや発信方針を決める戦略設計、商品・サービスの正確な理解、ユーザーへの対応、ブランドに適した表現かどうかの確認などは、人による判断が重要です。
特に企業アカウントでは、誤情報や不適切な表現がブランドへの信頼に影響する可能性があります。
経済産業省が公開している「AI事業者ガイドライン 第1.2版」でも、人間中心、安全性、プライバシー保護、透明性などの考え方が示されています。AI活用の有無だけでなく、管理・確認体制まで見ておきましょう。
安さより支援量で判断する
AIを利用するSNS運用会社を選ぶ際は、「AIを使っているから安いか」よりも、「同じ予算で何が増えるのか」を確認することが大切です。
たとえば、投稿案の候補数が増える、レポート作成が早くなる、分析する回数を増やせるなど、効率化によるメリットが支援内容へ還元されていれば、価格が変わらなくても費用対効果が高まる可能性があります。
反対に、AIが作成した投稿を十分に確認せず公開する運用では、企業アカウントとしての品質に不安が残ります。AIと人がそれぞれ何を担当するのかを確認しましょう。
費用で失敗しない会社の選び方
SNS運用会社を選ぶときは、月額料金だけを並べて比較しないことが重要です。見積もりが安くても、必要な動画制作や撮影、分析がすべてオプションになっていれば、総額が高くなる場合があります。
自社に必要な投稿本数や撮影、分析などの条件を決めたうえで、同じ条件で見積もりを取りましょう。
安さだけで判断しない
SNS運用代行は、料金が安いほど得とは限りません。月10万円で投稿作業だけを依頼するサービスと、月30万円で企画や分析まで依頼できるサービスでは、支援内容が異なります。
まず自社で必要な業務を整理し、それぞれの見積もりに含まれているかを確認してください。
最低契約期間がある場合は、月額料金に契約月数を掛け、初期費用や追加費用を加えた契約期間全体の金額で比較しましょう。
対応業務と実績を確認する
SNS運用会社によって、得意な媒体や支援内容は異なります。Instagramのクリエイティブ制作を得意とする会社もあれば、TikTokやYouTubeの動画運用を中心とする会社もあります。
「SNSの運用実績がある」だけで判断せず、自社が利用するSNSや近い目的での支援実績を確認してください。
事例を見るときは、フォロワー数だけではなく、どのような課題に対して施策を行い、どの指標が変化したのかを見ることが大切です。認知、サイト流入、問い合わせ、採用など、自社の目的と近い実績があるか確認しましょう。
分析・改善まで確認する
SNS運用では、投稿後に結果を分析し、次の施策へ反映することも重要です。「月次レポートあり」と書かれていても、支援内容は会社によって異なります。
数値を一覧化するだけなのか、伸びた投稿と伸びなかった投稿の違いを分析するのか、次のコンテンツまで改善してくれるのかを確認しましょう。
どの指標を追うのか、振り返りの頻度、改善案を誰が考えるのかまで確認すると、単なる投稿代行との違いを判断しやすくなります。
担当体制と連絡方法を見る
SNS運用は継続して進めるため、担当者とのやり取りのしやすさも重要です。商談を担当する人と、契約後に実際の運用を担当する人が異なる場合もあります。
契約前には、次の項目を確認しておくとよいでしょう。
- 窓口担当と実際の運用担当
- 企画・制作を行う体制
- 投稿前の確認フロー
- 日常の連絡方法
- 定例会の頻度
- 担当変更時の引き継ぎ
- 緊急時の連絡方法
料金や実績だけでなく、実際にどのような体制で運用するのかまで確認してください。
SNS運用代行の費用に関するよくある質問
SNS運用代行を検討するときによくある、最低料金、成果報酬、広告費、複数SNS、契約期間に関する質問を整理します。
料金体系や契約条件は会社によって異なります。「必ず○万円」「必ず○カ月」と一律には判断せず、各社の見積書や契約条件を確認してください。
SNS運用代行はいくらから頼める?
一部の業務だけであれば、月10万円以下から依頼できるサービスもあります。企業向けの運用代行では、月20万〜50万円程度を目安とする相場情報があります。
ただし、InstagramやXなど比較的少額から始めやすい媒体と、動画制作が必要なTikTok・YouTubeでは予算感が異なります。最低料金だけを見るのではなく、自社に必要な投稿制作や分析まで含めた見積もりで比較しましょう。
成果報酬型の運用代行はある?
成果報酬型を採用するSNS運用サービスもあります。フォロワー増加、動画再生、問い合わせなど、何を成果とするかはサービスによって異なります。契約前には、成果の定義、単価、計測方法、対象期間、最低料金、上限金額を確認してください。
SNS上の数字だけが伸びても、売上や問い合わせにつながるとは限りません。自社の事業目標と成果指標が合っているかを確認することも重要です。
SNS広告費は料金に含まれる?
SNS広告費は、アカウントの運用代行費とは別になっているケースがあります。
広告運用を依頼する場合は、MetaやTikTokなど広告媒体へ支払う予算と、運用会社へ支払う手数料の両方を確認してください。SNS広告の運用手数料は、広告費の15〜20%程度を目安とする例があります。
月額プランに「広告運用」が含まれていても、広告媒体へ支払う予算まで含まれているとは限らないため注意しましょう。
複数SNSをまとめて依頼できる?
複数媒体に対応する運用会社であれば、Instagram、TikTok、YouTube、Xなどをまとめて依頼できます。
ただし、SNSごとにユーザーや適したコンテンツが異なるため、1媒体分と同じ費用で複数SNSを運用できるわけではありません。共通の写真や動画を活用できる部分と、媒体ごとに新しく制作する部分を整理し、媒体別の費用を確認してください。
最低契約期間はどのくらい?
最低契約期間は会社によって異なります。契約期間を設けない会社がある一方、3カ月や6カ月以上を条件とするサービスもあります。
たとえばYouTube運用では最低3カ月や6カ月とするサービスがあり、X運用でも最低6カ月とする会社があります。「SNS運用代行は○カ月が一般的」と決めつけず、最低利用期間、自動更新、途中解約の条件を見積もり時に確認しましょう。
費用を抑えるなら何を内製する?
費用を抑えたい場合は、自社で対応しやすい業務を残し、工数や専門性の高い部分だけを外注する方法があります。
商品・サービスに関する情報提供、写真・動画素材の撮影、コメントへの返信などは、社内の方が対応しやすいことがあります。一方、戦略設計、デザイン、動画編集、データ分析などは専門家へ任せる方法があります。
ただし、内製にも社員の作業時間が必要です。外注費だけでなく、社内工数まで含めて費用を比較してください。
まとめ
SNS運用代行の費用は、月10万〜50万円程度がひとつの目安ですが、実際には利用するSNS、制作本数、撮影の有無、分析・改善の範囲によって大きく変わります。TikTokやYouTubeなど動画制作を伴う媒体では、50万円を超える予算が必要になるケースもあります。
運用会社を選ぶときは、「月額いくらか」だけを比較しないことが重要です。まずSNSを利用する目的を決め、自社で対応できる業務と外注したい業務を整理しましょう。そのうえで、初期費用や撮影費、広告費まで含めた総額と、料金内で受けられる支援内容を比べると、自社に必要な予算を判断しやすくなります。
SNS運用をすべて外注する必要もありません。目的、予算、社内の運用体制を整理したうえで、自社に必要な範囲だけを外部へ任せることも検討してみてください。